理系女子は出世に不利!?研究も育児も両立したかった私の体験談

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男女で研究者としての実力が同じでも、結婚して子供を産みたいとなると理系女子は出世しにくく不利な立場に置かれることが多いと感じます。

それでも、私は女性だからあきらめることはしたくなくて

「研究者になりたいけど、結婚して子供も産みたい。」
「子育てと研究を両立する方法はないの?」

と研究と育児を両立する方法を模索してきました。

最近はキャリアを積みたいと考えている女性も増えてきていますし、私と同じように研究と育児の両立に不安を感じる理系女子も多いと思います。

そこで、この記事では博士号を取得し企業で働く理系ママである私が実体験から研究と子育てを両立する方法をお伝えします。

この記事がオススメな人
  • 研究者としてバリバリ活躍して、出世したい理系女子
  • 研究と育児の両立方法を知りたい理系女子
目次

女性研究者としての理系女子の立ち位置

指をさされて顔を覆う女性

まずは現状を把握するために、女性研究者の置かれた立場について見ていきましょう。

女性研究者の割合

男女共同参画局によると、平成30年における日本の研究者に占める女性の割合は16.2%と世界主要国の中で最低基準です。アイスランドの47.2%と比べるといかに日本の女性研究者が少ないか分かります。

研究者に占める女性の割合の国際比較グラフ
引用:https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h30/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-05-07.html

日本は女性研究者にとって本当に不利・・・!!

私は大学では女子が多い理学部化学科でした。
化学科では、男女比は6:4と男子の方が多いけどそこまで女子が少ないという印象はなかったです。
でも、女性で教授になっている人は学科全体で1人だけ。

また、大学院で参加した物理系の研究会や学会では、大学の広い講義室の中に女子を見つけることが難しいほど圧倒的に男子が多かったです。

なので、理系女子の出世は難しく、分野によってはそもそも女性がほとんどいないと言えます。

企業ではどうかと言うと、私が勤めている会社では理系の男女比は3:1で男性が多いです。
ただし、この中には工場のオペレーターや技術営業など研究職以外も含まれており、研究職に限定するとさらに女性の割合は減ります。
さらに、結婚や妊娠をきっかけに退職する人や産後に部署異動をする人も多いです。

定年まで研究職で働く女性は私の身近にはいません(;o;)

理系女子が研究者として出世することがいかに難しいかわかります。

女性研究者が少ない理由

なぜ、日本では女性研究者が少ないのでしょうか?
東京新聞が理系の女性研究者に対して行った「女性研究者が少ない理由」アンケート結果を紹介します。

女性が考える女性研究者が少ない理由
引用:https://www.tokyo-np.co.jp/article/173346

アンケート結果によると、女性研究者が少ない理由は適性や能力の差よりも「家事や育児、介護などの家庭との両立が困難であること」が73%、「無意識の偏見」が64%と主な理由となっていました。

研究者としての能力ではなく、家庭との両立や環境によって不利だと感じる理系女子が多いんですね。

私も、気づいたらワンオペ育児になってました・・・。

実際に、私の周りでも子育ての負担が母親ばかりにかかり研究との両立ができなくなった人の話を聞きます。

私自身も妊娠した際に、上司から

子供ができたなら海外への研究留学は諦めた方がいい

と言われました。

男性研究者は奥さんや子供がいても留学しているのに、どうして女性である私は諦めなければならないのかと悶々としていますが、これが社会の考える男女差の現れなのだと思います。
女性の出世を後押ししている上司だったので、とてもがっかりしました。

【理系女子の私の体験談】女性であることが研究者として不利だと感じたこと

落ち込む女性

理学博士を持ち、ママとして企業の研究職で働く私の実体験から、女性が研究者として生きる上で不利だと実感したことを紹介します。

同じ女性であっても、結婚したいか、子供が欲しいか、介護の必要があるかで家庭と研究の両立のしやすさは大きく変わってきますが、女性というだけで不利だと感じることも多々あるというのが本音です。

研究の頑張り時と出産適齢期が重なる

順調に博士号を取得したとして27歳。博士=研究者の卵であり、研究者として生き残るためには、これからしっかり実績を残していく必要があります。

特に大学に残る場合は、ポスドクにしろ助教授にしろ2〜3年という任期があるので、2〜3年という限られた期間内に次のポストを見つけなければいけません。

ポスドクって?

ポスドクは博士号を取った学生が助教授になれなかったときに就く一時的な職のことです。
多くの人はポスドクを経験して助教授になります。
ポスドクは任期があり、常に無職になるリスクと戦う追い詰められたポジションです><

一方で、アラサーと言えば結婚適齢期であり、子供が欲しい人にとっては出産を考える年齢です。
妊娠すると1年近くお腹の中で子供を育てることになり、どうしても本来の実力が出せません。

私はつわりがひどく、妊娠中はほとんど研究が進みませんでした(T ^ T)

20代後半から30代は、研究者として実績を積み上げないといけない大切な時期ですが、結婚や妊娠といったライフイベントが重なりやすいときでもあるので、正直とても厳しいですし、どちらを優先するか悩みます。

特に産前産後は研究がストップするので、出した成果は論文にまとめておかないと、この間に抜かされます。

女性の方が家事や育児の負担が大きい

結婚している女性に限定される話ではありますが、まだまだ家事や育児の負担は男性よりも女性が圧倒的に多いです。
これは研究者に限らず、多くの女性が感じていると思います。

夫は協力的だけど、育児の負担は90%以上が私です!!

家事は宅配弁当や家電を利用することで負担を減らせますが、育児に関してはまだシッターやナニー制度が普及しておらず母親である女性の負担が大きいのが現実です。

女性は産休から合わせると多くの人が1年以上の休みを取っています。しかし、男性は育休取得率が増えてはいるものの1年間取得する人はほとんどいませんよね。
また復帰後も子供の保育園等の対応も女性がするケースが多く、産前のようにバリバリ研究をするというのは難しいです。

女性だからという理由で雑務が増える

意図的な場合と無意識の場合がありますが、男性に比べ女性の方が雑務を頼まれる頻度が高いです。
これは結婚しているか、子供がいるかに関係なく女性全般にあてはまります。

誰にでもできるけど女性が頼まれがちな雑務の一例をあげます。

  • お茶汲みなど来客のおもてなし
  • 会議室の準備
  • 理系研究者へのインタビュー
  • 外部講演会への出席 など

はっきり言って性別関係なく誰でもできる仕事なのに・・・となんとなくモヤモヤします。
インタビュー対応や講演会の出席は、女性でも研究者として活躍できるという世間へのアピールのためです。

見せかけのアピールより、活躍できる場をください

世間に理解されにくい

中には、女性がアカデミックの世界で頑張ることをよく思わない人もいます

男女平等や女性の社会進出が進んでいても、まだまだ女性は家庭に入るべき!という考えを押し付けてくる人がいるのが現実です。

私も「大学院に行かずに早く結婚して幸せになるんだよ」と言われモヤモヤしたことがあります。

こういうのって、身内から言われたりするので、けっこうストレスがかかります。
身内って距離が近いだけにズケズケ踏み込んでくるし、理解されないと落ち込みますよね。

理系女子が研究と育児を両立する3つの戦略

成功するプラン

残念ながら少なくとも日本においては女性であることは研究者として不利に働くことが多いです。

不利な中でも女性が研究者として生き残るための戦略を3つお伝えします。
利用できるものはどんどん利用していきましょう!

「女性枠」を積極的に利用する

嫌う人もいますが、世の中には「女性枠」というものが存在します。
もともと研究者である女性の人数は少ないので、女性の採用を積極的に行っている大学や企業を狙うことで、採用される確率がグッと上がります。

女性枠として募集していなくても、大学のポイントを上げるために女性の採用に前向きな先生もいるので狙い目です。
ただし、外国人も同様に採用すると外部からの評価が上がるため、外国人女性を採用したがる先生もいます。

できるだけ学会や研究会で行きたい研究室がどんな人を採用したいと思っているのが情報を集めておくことが重要です。

女性の採用に積極的な企業の探し方は?

私は企業の採用HPを見て、女性社員のインタビューなどの特集が載っているかをまず確認しました。
また説明会に女性社員が同行しているかチェックし、可能であれば実際に話を聞いてみましょう。
私の就職した会社では、会社側が理系女子向けに座談会をセッティングしていました。

大学の「女性枠」ってどうやって見つけるの?

大学の採用は企業とは少し異なり、指導教官からの推薦だったり共同研究先だったりと何らかのコネクションがあるところに行くケースが多いです。
日頃から学会などに参加していろいろな人と繋がりを持っておくことが大事です。

ただし、女性枠で採用されたからと言ってその後も出世できるとは限らないので注意が必要です。
あくまでも実力がある上で女性であることが不利に働かないようになる、くらいの気持ちでいましょう。

パートナーの理解を得る

既婚者の場合は、家事や育児の役割分担を夫婦で話し合っておきましょう

口では男女平等や妻が研究者として頑張ることを応援すると言っていても、気づいたら女性側の負担が増えていたというケースもあります。

わが家はうっかりこうなりかけてました

無意識に家庭のことは自分がやらなくても妻がやってくれるから大丈夫と思っている男性も多いので要注意です。

そうならないために、具体的に話をしておくことが大切です。

  • 平日の食事は自炊か外食か、どちらが準備するのか
  • 深夜や早朝に仕事に行くことあるか、休日出勤は?
  • 出張時の子供の世話はどうするのか
  • 子供が病気になったときの対応はどちらがするのか
  • 実家は頼れるのか  など

一番大事なのは、めんどくさくてもパートナーと話をすることです。
一人で溜め込んでいては壊れてしまいます。そうなる前にあなたが選んだパートナーを頼ってみましょう。

些細なことでもやってもらったら感謝するのを忘れずに
ありがとうの効果は絶大です♡

お金で解決する

世の中の悩みの8割はお金で解決できると言われています。
お金で解決できることはお金で解決するのが早いし、精神的にもラクなのでおすすめです。

外注化できるものの例は以下のようなものがあります。

  • 料理はミールキットや宅配食、スーパーのお惣菜を活用
  • 手料理はホットクック、高機能電子レンジを利用
  • 掃除はルンバやブラーバなどお掃除ロボットを活用
  • 洗濯は洗濯乾燥機、カッターシャツはクリーニング
  • 保育園の送り迎えはファミサポやシッターに依頼
  • 週末に家事代行サービスを利用  など

好きでなく義務感で行っている家事や育児は積極的に代行サービスを使うなど外注化して、あなたはあなたにしかできないことに時間と労力を割くべきです。

少しくらい手を抜いたからといって、パートナーや子供が愛情不足になったり不仲になる心配はいりません。
それよりも、あなたが笑顔でイキイキしている方が家庭も円満になりますよ♪

わが家は早々に自炊をあきらめ、家事代行と宅配食に頼っていますし、辛いときには産後ケアや託児を利用しています。

まとめ

今回は、理系女子でもありママでもある立場から女性研究者の出世が難しい理由と研究と育児の両立方法について紹介しました。

女性の社会進出が進んできてはいるけど、やっぱり女性研究者は男性より不利だと感じることが多いです。
日本で女性研究者が少ない理由は家事や育児の負担だけでなく、無意識の差別も課題となっています。

でも、世界には活躍しているママさん研究者もいるので、女性だからと研究者の道をあきらめる必要はないと思います。
まずは1つでいいので、今日からできる研究と育児の両立方法を実践してみませんか?

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